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2月5日更新

■書名INDEX■

共生虫ドットコム
書名 掲載日 書評者名 評価
共生虫ドットコム 2000年11月2日 KK ★★★★
COMENT
 この本を『共生虫』のシリーズ連作とするか、その解説書とするかは読み手の意識次第といえる。プロジェクトのコーディネーターなどの発言からすると『共生虫』を発端としたクロスメディアプロジェクトの産物、解説書といった所がその実態に近いのかもしれない。
その意味では、『共生虫』を読んだ人にしか、その面白さは解らないという仕掛けになっている。全体は大きく、3つの部分から構成されている。しかも、その全体も本とCD-ROMという2種類のメディアでの提供されており、ある種、クロスメディアによる試行錯誤の感がある。
 メインはこの『共生虫』にモチーフとして登場するインターバイオなるサイト(集団)を具現化したサイト構築とそのコンテンツ(内容は『共生虫』に登場する内容を踏襲している)。さらには、それを核としたテレビ番組での対談と同時に開催されたネットイベントの報告。それらをさらに解説するための幾つかの対談やインタビュー(他のメディアで既に発表されたもの)をちりばめ、共生虫マガジンとでもいえる構成とし、かろうじて読みやすさを獲得している。
 プロジェクト自体は、数多くの課題を残す結果となっているように思える。出色は、田口ランディとの「引きこもりと狂気」と題された対談。全体をプロデュースした榎本氏の共生虫論や実験的な番組を追いかけるかたちの報告も興味深い実験とはいえるものの、読みごたえには欠け、未消化といった感を拭えない。『共生虫』のいくつかのモチーフとなった化学兵器や寄生虫に関する報告、情報は、単にモチーフ解説の域を出ないが、こうしたことに興味のあるむきには、面白いのかもしれない。私には、村上龍氏の創作への視野、態度を映し出した鏡のような対談だけが特出していたように感じられてならない。ただ、プロジェクトとしての評価は別ともいえる。こうした試みはもっとやって欲しいし、未消化であれ、なんだかの課題を提示してくれることにはかわりない。村上氏の連載後、対談というステップは案外今後も注目かもしれない。村上氏の創作の態度からもそれは案外期待できるものとして、注目したい。(他の作家がやるととんでもないものになる場合もあるかも・・・) 共生虫を読んだ人には是非にとすすめたい一冊と一枚(CD-ROMのこと)。 この本を取り上げた本音は、『共生虫』に関する様々なものを一同に会して、見させる手法自体がこのサイトが目指しているものと近い座標にあるからという所!村上龍の『ライン』や『ピアッシング』が思わず読みたくなったり、田口ランディの次作『アンテナ』が待ち遠しくなるのは私だけ?

関連リンク参考文献・資料
明治大学の法情報学の夏井研究室リンク集は、法関連のリンクが充実! かなりの資料がある共生虫ドットコムなのであえてここでは資料リンクは、インターネットによるコミュニケーションをテーマに選んでみました。

●健全なインターネット環境の創造を目指すサイト“みんなの楽しいネットワーク”では、個人プライバシー保護を推進するインターネットプライバシー研究所「iTRUSTc」をネット上に展開虫。サイトのトップにも様々なインターネットでの問題の紹介あり。一度は訪れてみるのもよいかも。●明治大学の情報関連講義の中、「情報セキュリティと情報倫理」の項目に便利なリンクあり。


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