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今だからこそ、この本 9月29日更新
サブ・カルチャー

書名 NO. 著者名(編者、監修) 出版元 価格
愛と幻想の日本主義 0007 福田和也宮崎哲弥 株式会社春秋社 1,500円+税
発行日 書評者名 評価 掲載日
2000年1月10日 第二刷 KK ★★☆ 2000年8月24日

書評リンク:2件
●読売ブックスタンドのバックナンバーにも簡単な紹介あり。●サイト“ある活字中毒患者の告白”のBook Reviewの2000年9月に書評。●サイト“有無相生の館”の読後感想2000年2月29日に感想文。

前出の吉本隆明・大塚英志対談でのサブカルチャー論とこの対談集の第5章の「拡散するカルチャー」に展開される彼らの大塚サブカルチャー論と彼らのサブカルチャーとは何か提示を比較するとかなり面白い。

ある意味で彼らが大塚を高く評価している現れでもあり、今、日本で安易に取り上げられる「サブカルチャー」という概念の生み出す議論の一面を確実に照らし出している。

対談であることが前出の対談同様、“江藤淳を継ぐ、弟子という面でとらえられる文藝評論家”の福田氏と“西部氏に絶賛されて登場した若手評論家”の宮崎氏の個性を初めて両氏を知るだろう読者にも感じられる(あくまで理解されるではない)可能性を感じさせる本となっている。

新たな保守主義の教典ともとれる章だてに圧倒される読者もいるかもしれないが、一応この二人の論客を超えていかないと思って読まれることを勧めたい。前出対談集と異なるこの二組の対談集の臭いのようなものを皮膚感覚で受け止めるという方法論もありかもしれない。色々なテーマを折り込みならが、あくまで文藝評論という視点や座標から展開する福田氏がある反面、最終章「生死」の最後のフレーズが宮崎氏の座標を明確に見せる。少し長いが引用してみよう。

「歴史的に蓄積された仏教文化の資源を利用しながら、従来の日本仏教とは異なる、より整合的で、より強靱な普遍思想が生まれてくる可能性がある。 もし私が日本に期するものがあるとすれば、世界の様相を一変させるかもしれないこの普遍思想の可能性なのです。」

書名にある「愛と幻想の日本主義」は、読み終えて、正にこの二人の論客への形容詞としてふさわしいという感覚を抱くのは私だけではないはず。好き嫌いがはっきり分れる本かも・・・

関連情報:●福田氏の短期集中連載「続・中国を行く」が諸君!9月号から開始!●FUCK OF nackの簡易書評に「世紀末・新マンザイ(島田雅彦・福田和也)」と「『自分の時代』の終わり(宮崎哲弥)」を発見。●福田和也の「作家の値うち」(飛鳥新社)は各作家の著作に点数をつけた野心作。賛否両論だが、書評をしたことのある方には一応目を通すのも・・・review-japanに同書の書評2点(Stellaさんと中島まさとしさん)●YOMIURI BOOK STANDの大型書評に福田氏の「日本人の目玉」の書評あり。●fumiの宮崎哲弥論(宮台真司論もあり)も個性的で中々。

著者略歴:(ふくだ・かずや)1960年、東京都生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科修了。慶応義塾大学環境情報学部助教授。文藝評論家。著書:『近代の拘束・日本の宿命』(文藝春秋社刊)、『喧嘩の火だね』(新潮社刊)、『日本人の目玉』(新潮社刊)他多数。

(みやざき・てつや)1962年、福岡県生まれ。慶応義塾大学社会学科卒業。同法律学科中退。評論家。著書:『正義の味方』(洋泉社刊)、『身捨つるほどの祖国ありや』(文藝春秋社刊)、『「自分の時代」の終わり』(時事通信社刊)、『放談の王道』(呉智英との共著、時事通信社刊)他多数。

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